【防災対策の推進について】
私が防災対策に真剣に取り組むこととなった原点は阪神淡路大震災です。
28年前に発生したこの大震災で6,434人が亡くなりましたが、建物名での死傷者数が大半を占めていることが特徴であり、被災した方々が避難所、応急仮設住宅などでつらい日々を送ったことも深刻な課題を投げ掛けました。
議会では、毎回のように防災関係の質問を行い、下記のような様々な観点から問題提起、政策提案を行いました。
・耐震改修促進計画の達成のために積極的な取り組みを
・大災害により停電が発生した際、市の施設・設備の業務継続・機能維持のため、非常用電源の整備と燃料の十分な備蓄を
・災害発生時に開設する避難所の生活環境の確保、開設に当たっての安全確認を
・災害時の避難所における新型コロナウイルス感染症の十分な対策を
・防災対策の充実のため、女性の参画の充実、外国人防災リーダーの育成、避難所でのお知らせ絵カードの活用などを
・大規模災害発生直後の医療救護活動のあり方
市の担当部署は防災・減災対策の充実強化に真剣に取り組んでくれていますが、やるべきことはまだまだあり、必ず市民の安全と安心につながっていきます。
なお、私自身がさらに研鑽を積み、防災・減災を担う人材とならんとして、昨年度から三重大学の「みえ防災塾」に通っています。2023年3月に無事修了いたしました。
【中心市街地の活性化について】
旧津市の中心市街地の代表格は「大門・丸之内地区」です。
今年度、津市では同地区の未来ビジョンの政策に取り組んでいますが、市長が責任をもって「こんなまちにしたい」という明確なメッセージを出さなければ意義と内容のあるビジョンは作れないと問題提起しました。
どんな地区でも当てはまるようなものではなく、歴史的・地理的に特別な価値のある、この地区ならではのビジョンでなければなりません。
さかのぼれば、かつてあった都ホテル(都シティ津)が全館休業し、そして撤退した際の市と市長の対応に対して厳しく追及したこともありました。
【公共交通の充実について】
超高齢社会となり、公共交通(路線バス・コミュニティバス等)の役割はますます重要になってきます。採算性の度外視できない路線バス、合併前の各市町村(津市を除く)が実施していたコミュニティバス等の組み合わせを、大枠を変えずに工夫しようとしても、「交通難民」と「公共交通空白地域」の解消は難しいのですが、逃げずに取り組まなければなりません。市民の足の確保は、市政が担うべき責務の筆頭格です。
地域や団体の取り組みを、体制的、ノウハウ的、資金的に支援していかなければなりません。
【通学路の見守り活動について】
主に小学校において、登下校の交通安全と不審者対策のための見守り活動が行われています。
保護者も順番に立たれていますが、地域のボランティアの方が、地域のボランティアの方が、雨の日も雪の日も、暑い夏も寒い冬も、毎朝、交差点に立って、子どもたちを温かく愛情込めて見守って下さっています。名誉も報酬もなく、純粋に地域の子どもたちへの愛情です。本当に頭が下がります。
この人たちの尊い善意のお陰で子どもたちの安全が守られているのです。学校も教育委員会も、このことをよく理解して、サポートを含めちゃんと役割を果たしてもらいたいと考え、令和二年の十二月議会でこのテーマを取り上げ、下記内容の提案を行いました。
・見守り活動に参加する人の保険への加入を公費負担で実現すること
・必要なグッツ(帽子・ベスト・ジャンパー・旗など)を公費で購入すること
・長年活動に参加されてきた人を表彰する制度を創設すること
・技量向上、知識・ノウハウの習得のための講習を実施すること
実は私も、毎朝ではありませんが見守り活動に立つとともに、地元・一身田で有志による活動の充実に取り組んでいます。
なお、通学路を中心として犯罪や事故を未然に防止して安全で安心なまちづくりを目指す活動として「青色防犯パトロール」、略して「青パト」があります。登下校の見守り活動に比べてまだ実施率は低いですが、より多くの地域で実施されるよう積極的なPRや働き掛けをすべきであり、所管する市民部と教育委員会の情報共有と連携、そして支援の充実を図るべきであることを、令和四年の三月議会で訴えました。
【学校給食の食材調達に係わる問題改善を】
小学校給食は、保護者が費用を負担する、いわゆる「私会計」です。市の歳入・歳出予算に計上されないこともあって、合併前から長らく特にメスが入らず、改善すべき点が少なからずありました。
私は、学校給食を提供するために必要な食材の調達における諸問題に切り込みました。具体的には
・特定メーカーの指定
・必然性の乏しい冷凍食品の指定
・業者一社への見積り依頼
・納入時間の遵守の不徹底
・随意契約に係わる不合理な運用
担当部署からのヒアリングにとどまらず、調達に係わる見積り合わせ、随意契約に関する現場の書類を教育委員会から入手し、膨大な資料を読み込んで、エビデンス(証拠)に基づいて問題点を指摘し、改善を求める質問を行いました。議会のたびに質問を重ね、指摘した問題は少しずつ改善・解決されていきました。
最後まで残った問題は
・不合理な随意契約の事例
・不可解な商材の規格の決め方
・一部の納入業者にだけ鍵を渡している問題
令和四年十二月議会の教育厚生委員会において、解決の目処が立つ答弁を引き出しました。追求と指摘を受け続けた教育委員会も懸命に取り組んでくれて、最も難航した「鍵問題」に決着をつける答弁を聞いて、ようやく肩の荷は下りた思いがしました。
なお、昨年九月に「学校給食においてカビ発生、異物混入等」が立て続けに四件発生しましたが、これに関しては、原因追及や責任追及(犯人追及)よりも、問題事案が発生した際の教育委員会の「組織ガバナンス」の不全を指摘し、再発防止への取り組みを求めました。
追記
ほかにも多くのテーマ・課題について質問を行いました。
その多くは「政策提案型」ですが、例外的に、都ホテル(都シティ津)休業問題、特定の自治会問題への対応問題、公正公平な市政の確保に関する条例、学校給食の食材調達問題の四点については厳しく市長や担当部局を追求しました。
ただし、議会で質問する際は、事前に担当職員ととことん議論を尽くした上で臨むよう努めていました。
また、議員活動を続けるに当たって、常に市民の方と職員の方へのリスペクトは大切にしていたことを、最後に付け加えます。